P01 天日鷲命(あめのひわしのみこと) 忌部の祖神にして麻を績み布を織る神。阿波国の麻業・藍業の起源とされる。
P02 忌部神社 麻植郡に鎮座し、天日鷲命を祀る。神紋は麻の葉にして、阿波国の総社的存在。
P03 飯尾郷 天日鷲命の麻績の地。現・藍住町周辺。地名に麻績の古意を残す。
P04 麻植郡の起源 古より麻を植えた地に因み麻植と称す。風土記中でも麻績の郡として記録される。
P05 河原村 芳野川沿いの肥沃な地。藍と麻の二業が共に盛んであった
P06 児島村 芳野川南岸に位置し、洪水の被害多し。水辺に祀られた水神社が古くから信仰される。
P07 長村 川沿いに長く続く村落で、村の端を末村と称す。舟渡が多く、交流盛ん。
P08 岩野村 岩窟内に神体を祀る。修験者の行場としても知られ、山岳信仰の痕跡を残す。
P09 雲野村 芳野川東岸にあり。古は橋なく舟で渡った。渡河の安全を祈る社を持つ。
P10 宮の嶋村 麻植郡に属す。昔は河中の洲であったが、後に陸地となる。藍花の名産地。
P11 庄屋富三郎 十一代目にして勤勉正直の人。養蚕業を広め、国中に藍を普及させる。
P12 稲田家 麻植郡の名家にして富三郎を家臣とす。藍業と治水に功あり。
P13 河村勝馬 稲田家臣として一新の政策を行う。年貢改制を推進し、農民の生活に影響を及ぼす。
P14 一新の改 年貢制度を改め治水を整える改革。民の負担増すも、藍業の基盤を築く。
P15 善村
山裾に位置し麻績と
P21 天神社 山裾に鎮座し、古来五穀豊穣を祈る社。祭神は高皇産霊神と伝わる。
P22 王子神社 応神天皇を祀るとされ、阿波南部の産土神として信仰を集める。
P23 春日神社 奈良春日の勧請で天児屋根命を祀る。忌部系の祭祀と通うところが深い。
P24 谷の山神社 猿田彦大神を祀る。道の守護神として阿波一円で崇敬篤い。
P25 五谷の山神社 農耕の祖神を祀り、村々では春に穂祭が行われる。
P26 妙見社 北辰(妙見)を本地とする星の信仰。のちに日蓮宗と習合の伝えあり。
P27 薬師堂 長楽寺の別庵として建立。病平癒の霊験所として語り継がれる。
P28 庚申堂 青面金剛を祀る小堂。庚申待の夜籠りが今に残る。
P29 楠木谷 楠の繁る谷。古くからの修行場で、霊木として崇められた。
P30 長楽寺 山号安養山。本尊薬師如来を安置し、霊験著しい寺として記録される。
P31 庄屋富三郎 十一代続く家の当主。播磨の技法を伝え、養蚕を広める。
P32 稲田家 当郡の名家にして富三郎を臣下とす。藍業と治水に功がある。
P33 河村勝馬 稲田家臣として「一新」を布く。百姓の生活に大きな影響を及ぼす。
P34 善村 山間の古村。住民は勤勉で、麻績の技に巧みと記される。
P35 桑辻村 旧名「栞村」。木多く桑の育ちよし。養蚕の起源地の一つとされる。
P36 宮の嶋村 古は河中の洲、のち陸地化。藍花の地として肥饒なり。
P37 児島村 芳野川南に位置し洪水頻発すれど、地力は豊かである。
P38 長村 東は川原、南は末村。秋ごとに洪水の害が記される。
P39 雲野村 川東にあり、古くは渡船場を有して往来多し。
P40 岩野村 東を芳野川と界す。岩窟に神影を祀る伝承が残る。
P41 芳野川 郡内を貫き村々を潤す。洪水多しといえど土は肥える。
P42 村之末村 児島村の南。郡の末端の意をとどめる地名。
P43 川原村 東に長村を望む。砂州の地で舟泊の跡が残る。
P44 地名字の事 各村の地名由来を記す。河勢の転変や山形の移ろいが多い。
P45 麻植郡の村々 おおむね藍花と麻を産し、水害に悩みつつも地肥にして富む。
P46 薬妙庵 長楽寺の支院。薬師信仰と修験道の習合を伝え、霊験の谷と呼ばれた。
P47 庚申堂 青面金剛を祀る。村人は庚申待に集い、夜通し語らう風習を保った。
P48 楠木谷 楠の大樹群生する霊地。谷川清らかに流れ、山神を祀る社がある。
P49 本尊薬師如来 長楽寺の本尊。安養山に祀られ、病平癒を祈願する信仰の中心。
P50 長楽寺 古寺にして阿波国風土記にも名を記す。村人の精神的支柱なり。
P51 富三郎家 当代の庄屋にして十一代を継ぐ。藍業と養蚕で郡内に名を馳せる。
P52 稲田家臣下 麻植郡の旧家で、稲田家の支配下に入り藍の統制を担った。
P53 一新の政 稲田家が新政を施し、税制改正を行う。百姓困窮すと記録される。
P54 富村 富裕の村と記され、藍・麻・絹を三業として栄えた。
P55 善村(再記) その地の古老、善光寺の信徒にして祈雨祭を司ったと伝う。
P56 桑村 桑の多き地にして、養蚕の初めとされる。桑神を祀る祠あり。
P57 村内に當家あり 村内の筆頭家として當家を記す。国随一の産物・養蚕の祖。
P58 當国随一の産物 播磨より技を取り入れ、阿波に養蚕を広めし家と伝えられる。
P59 庄屋富三郎(補記) 正直にして勤勉。麻・藍・絹の三業を治め、十一代に及ぶ。
P60 村長老の伝え 長老曰く「麻植の繁栄は藍と桑の並び立ちによる」と記す。
P61 富三郎十一代 当代にて藍の取引を整備。国中の藍市の規範となる。
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